Vol.658「バトン」
出張先から知人にお土産を買って帰る。
帰宅後・家内に頼み届けてもらう。
すぐさま・お礼の連絡が入る。
後日・お逢いした際また丁寧にお礼を述べられる。
暫くして・再会した際に再びこの間のお礼を伝えられる。
「そんな大したものじゃないので・そんなお礼を言われると恐縮です」と私。
その方は・いつも丁寧にお礼の言葉を述べられる。
その素敵な振舞いに・ふと興味が湧きその方に尋ねてみた。
曰く・母の教えだと告げられた。
生前母は常々感謝の意を・ご恩を忘れてはならぬと娘たちに説いていた。
お礼は三回言いなさいと。
それは家訓であると。
だから今も・その教えを守っていると。
素敵な話を伺った。
継がれる大切なものがある。
素敵なバトンは親から子へ・子から孫へ渡される。