Vol.782「サポート」
5月5日晴天。
唐津くんちの曳山特別巡行が行われた。
一番曳山・刀町赤獅子の生誕二百年と改元をお祝いした特別巡行には
多くの観光客も訪れた。
幼少の頃より曳山行事に参加している私にとっても格別な一日となった。
その中車椅子で参加している曳子の少年がいた。
曳山の後ろを自らの力で車椅子で随行した。
周りには少年の父親と大人たちが寄り添う。
けれど誰一人車椅子を押さない。
「頑張れ!」。
口々にみなが男の子に声を掛ける。
中途中途に曳き山が止まる。
「喉渇いてないか」。
「暑くないか」。
みなが応援する。
巡行コースには上り坂なも下り坂もある。
少年は時折歯を食い縛り額に汗して・一度も遅れる事なく
巡行コースを完走した。
彼の強い意志をみんなは分かっていた。
「良く頑張った!」。
「偉いぞ!」。
彼には先輩たちからのたくさんの労いが飛び交う。
みなが同志。
みなが仲間。