今日のよか

<毎週更新>良平院長のコラム

Vol.796「就職説明会」

毎年この時期にクリニックにて就職説明会を開催する。

今年も高校生たちが説明会に参加してくれた。

緊張した面持ちの彼女たち。

冒頭に院長からのウェルカムメッセージ。

あなたたちが将来どのような職種に就こうとも大切な事は

良き出逢いに恵まれる事。

良き先輩・素敵な人たちとの出逢いが最も大切な事。

彼女たちの輝ける未来に素敵な出逢いが訪れる事を私はこころから願う。

Vol.795「沈黙」

一期一会でたなべクリニックに入職。

たなべクリニックファミリーとなったスタッフ。

経年と共に業務の質は上がり・何より人として成長した。

本をよく読むようになった。

考えて行動するようになった。

そんな彼女が一身上の都合により・クリニックを去る事となった。

最後の出勤。

これまでの感謝を共に育ったファミリースタッフへ届ける。

想いを綴ったメモを読み上げる。

幾度も涙で言葉が詰まる。

みんな待つ。

そっと待つ。

沈黙の長さが彼女の想いを伝えている。

言葉より涙の沈黙が・最も素敵な感謝のメッセージ。

ありがとう。

また逢いましょう。

あなたは・今までもこれからも大切なたなべクリニックファミリー。

Vol.794「それぞれ」

赤ちゃんと共に陣痛を乗り越えているお母さん。

もうすぐ赤ちゃんが逢いに来る。

陣痛が始まって・赤ちゃんが逢いに来てくれる時間の経過は人それぞれ。

隣のお部屋では・自分より後で入院してきた方の赤ちゃんが

先にお母さんに逢いに来た。

『私が先に入院してきてるのに・・』と・お母さんが洩らす。

「この子は・この子のペースで逢いに来てるんだよ」と・サポートお父さん。

その通り。

足が速い人がいる。

遅い人もいる。

短距離走が得意な人がいる。

マラソンが得意な人もいる。

人それぞれ。

マイペース。

私はわたし。

あかちゃんもそれぞれ。

Vol.793「掌」

小さい手のひら。

大きい手のひら。

つるつる手のひら。

しわしわ手のひら。

握る。

そっと添える。

手には・温かい大きな力がある。

想いを込めて・そっと差し伸べよう。

あなたの大切な人に。

Vol.792「個性豊かな人々」

生まれつき脚が不自由な人がいる。

耳が聴こえない人がいる。

目が見えない人もいる。

計算が苦手な人がいる。

コミュニケーションが苦手な人もいる。

けれど彼らは・感受性に溢れ個性豊かな人が多い。

世間では悲しい事件事故が絶えない。

過ちを犯す多くの人は・眼も見えて会話出来て耳も聴こえて自分の脚で歩く。

健康とは。

健全とは。

五体満足とはなんだろう。

個性豊かな人々との一期一会。

大切なものを私に届けてくれる。

Vol.791「キッザニア」

キッザニア。

昨年開院100周年を迎えた・たなべクリニックは100周年を機に

「ちびっこ職場体験」を開催している。

地域貢献・たなべクリニックの企業理念のために毎年開催する事を決めた。

今年もたくさんの子供たちの応募があった。

白衣に身を包んだ子供たちが・色々な産婦人科のお仕事を体験する。

子供たちは・ドキドキにこにこ。

お母さん・お父さんたちもニコニコ。

子供たちの素直な笑顔は・とても眩しい。

梅雨明けの青空に負けない・爽やかさがクリニックを満たしている。

来てくれてありがとう。

私たちたなべクリニックは・この貴重な体験を通して子供たちの未来を応援する。

Vol.790「想い」

かけっこ・そんなに速くなくていい。

勉強一番じゃなくていい。

めちゃくちゃ美人じゃなくていい。

エガオがすてきな女の子ならいい。

健康ならいい。

五体満足ならいい。

そんなに多くは望まない。

ただ・あなたが幸せならよい。

あなたの寝顔を見て・ただただ私はそう願う。

Vol.789「私はわたし」

元気に逢いにきてくれた赤ちゃん。

お兄ちゃん似?!

お姉ちゃん似?!

お父さん?!

お母さん?!

もしかして・おじいちゃん似?!

誰かにちょっとだけ似てます。

でも・・。

私はわたし。

私は誰かに似てて・誰かが私に似るんでしょ。

Vol.788「見解」

メガネを新調した。

見立ては家内。

私が選ばないタイプのフレーム。

家内が私に掛けて欲しいデザインらしい。

なかなか良い。

メガネひとつで雰囲気変わる。

満足。

気に入った。

早速息子に披露。

反応今一。

むしろダメ出し。

折角ママがチョイスしてくれたのに。

似合わないかなぁ。

昭和と平成のセンスの相違。

令和は・このメガネで勝負。

Vol.787「決断」

ある市の市長が任期を待たずに辞職する事を発表した。

理由は奥様の介護だった。

市政のトップとして責務を全うする事なく職務を退く決断に賛否が別れた。

会見で市長は自己都合による辞職説明に際し・深々と頭を下げ謝罪した。

「家内には私しかいない」。

「私の残りの人生を妻に捧げ・彼女と共に生きたい」。

会見の最後に市長はそう発言して会見を閉めた。

会見を終え退室する市長は・どこか晴れやかだった。

後日奥様の車椅子を押す元市長の写真が新聞に掲載されていた。

彼に一票を投じた市民の中には納得出来ない有権者もいるかも知れない。

重責を中途で辞する決断は想像以上に苦難であったと察する。

その中での決意。

私は頷きながら会見を聴いた。

そっと静かに拍手を送った。