Vol.716「本番」
世界記録保持者が勝つとは限らない。
ワールドチャンピオンが優勝する訳でもない。
ベテランが好成績を収める保証はない。
新進気鋭が必ずしも調子良いとも言えない。
チャンスは一度。
一発勝負。
みんな金メダルが欲しい。
四年に一度。
勝負は時の運。
勝者はただ一人。
神様は誰かに微笑む。
<毎週更新>良平院長のコラム
世界記録保持者が勝つとは限らない。
ワールドチャンピオンが優勝する訳でもない。
ベテランが好成績を収める保証はない。
新進気鋭が必ずしも調子良いとも言えない。
チャンスは一度。
一発勝負。
みんな金メダルが欲しい。
四年に一度。
勝負は時の運。
勝者はただ一人。
神様は誰かに微笑む。
私はいつも赤ちゃんを中心に考える。
赤ちゃんがとてもとっても大好きだから。
だから・赤ちゃんが選んだお母さんお父さんもとても大切な存在。
だから赤ちゃんのお母さんお父さんが選んだ
赤ちゃんのおばあちゃんおじいちゃんもとっても大切な存在なのです。
『良平先生はいつも赤ちゃんの・・と表現されますよね』。
『それがとても印象的です』。
と・私はよく言われる。
そう。
その通り。
だって・みんな赤ちゃんの大切な人たちなんですから。
朝元気に笑顔で挨拶するスタッフは美しい。
先輩に指導受ける学生の真剣な眼差しは美しい。
赤ちゃんと一緒に陣痛を乗り越えるお母さんは美しい。
ごくごく元気におっぱい飲む赤ちゃんは美しい。
頑張る人は美しい。
輝いている人は美しい。
たなべクリニックでは・毎朝365日院長スタッフ間全員で
笑顔でハイタッチを行う。
片手を高く上げて満面の笑みで元気よく
「今日も一日よろしくお願いします!」。
365日・本気の本番がスタートする。
終業の際も元気よく
「お疲れさまでした!」とハイタッチ。
手と手。
こころとこころを繋いでハイタッチ。
シャイなお母さんがいる。
人前で話すのが少し苦手なお母さんがいる。
「心配なことない?」。
「不安なことない?」。
って・私が尋ねても小さな声で『いえ・・別に・・』と囁く。
そんな時は。
奥の手を。
大好きな赤ちゃんのお写真をこっそり撮っておく。
そっ~とお母さんにお見せする。
『あら~かわいい!』。
『いつ撮ったんですか!』。
「あげる!」。
『いいんですか!』。
『ありがとうございます!』。
お母さんにっこり。
ニッコリにっこり。
それから会話も弾む。
心配なこと・不安なことがた~くさんお口から出てくる。
えがお・エガオ。
赤ちゃんの魔法。
お母さん嬉しいと赤ちゃんもうれしい。
出張先で当地のお土産を買うためにお店に入った。
満面の笑みで店員さんが迎えてくれた。
眼がなくなる程の笑顔。
いつも細目になる程笑顔でお客様を出迎えてあるのだろう。
目尻の小皺にその方がいつも笑顔である証がある。
「ありがとうございました」。
細目の笑顔と共に見送ってくれた。
初対面での満面の笑み。
魔法の笑顔がやさしさとここち良さを運んでくれる。
ご出産後・入院されているお部屋を廻診。
お母さんに抱かれた赤ちゃんが泣いている。
お母さんは少々困り顔。
『先生・・なかなか泣き止みません』。
「泣いてるんじゃないの・歌ってるんだよ」。
赤ちゃん更にヒートアップ。
「ほら!今2番の歌詞歌ってるよ」。
傍にいた赤ちゃんのおばあちゃんが思わず笑う。
「おばあちゃん!いいですよ・ハイ!コーラス入って!」。
「お母さんも一緒にコーラスして!」。
お歌の指揮をする私。
お部屋中に笑い声が響く。
いつのまにか泣き止んでる赤ちゃん。
「ほら~ねぇ~」。
みんな笑顔。
赤ちゃん安心。
大丈夫。
みんな大丈夫。
平成30年・2018年。
たなべクリニックは、開業100年を迎えました。
大正7年・1918年。
祖父・田邉熊喜が唐津の地に産婦人科を開業。
多くの方々との出逢い。
たくさんの方々の支援。
歩みを止める事なく・繋いだ百年。
100年の大きな節目に・こころから感謝。
ふるさと唐津で・これからも歩んでいきます。
一期一会に感謝。
年の瀬には家族が全員集う。
みなが揃い・同じ空間を共有する事は何物にも換え難い。
例え狭くとも・隙間風が吹こうとも。
我が家が最も安らぐ場所。
いつの日もいつまでも・膝寄せ合い語りたい。
他愛もない会話。
ここち良い沈黙。
この場所が私たちの居場所。
帰る場所。
幼少の頃・体調崩すとよく熱を出していた。
熱には弱く・すぐ寝込んでいた。
すると・おばあちゃんが付きっきりで看病してくれた。
片時も離れず・鼻息荒い私の顔をそっと見つめて夜間も氷嚢を何度も換えてくれた。
肌寒い朝は・炬燵の中で洋服を暖めてくれて元気よく登校する私を見送ってくれた。
お腹を壊すと腹巻を着けてくれて・夜は一緒に布団に入りお腹を暖めてくれた。
いつも傍にいてくれた。
いつも・にこにこ見守ってくれていた。
子供は誰かに抱きしめられて育って欲しい。
いつの日も。
いつの時代も。