Vol.718「一目」
お母さんは重い糖尿病を患っていた。
しかし無事に男の子を出産。
母一人子一人。
母子の幸せな日々。
けれど母の糖尿病は悪化。
間もなく母は光を失った。
失明。
盲目の母の子育て。
親子は寄り添い苦難を乗り越えた。
やがて息子は立派に成人。
母の願いはただ一つ。
立派に成長した息子の姿を一目みたい。
叶わぬ夢を笑い飛ばした。
これからも母子の日々は続く。
決して不幸ではない。
笑い声が絶えない母子の食卓が今日も暮れていく。