Vol.819「折り鶴」
100歳を目前に・その方は天国に召された。
子供たち・孫・ひ孫・多くの親族が彼女との別れを惜しんだ。
幼子が家族に問う。
『おばあちゃんはどこに行くの?』。
「お空に旅立ってお星さまになるの」。
『おばあちゃん・足が悪かったから歩いてお空に行くのは辛くない?』
子の想いにみんなが応える。
「おばあちゃんが安心できるように・みんなで鶴を折ろう」。
たくさんの折り鶴が彼女の棺を飾った。
葬儀の後・傍らに一羽の鶴。
「おばあちゃんをちゃんと乗せて天国へ連れて行ったって・報告に来たんだよ」。
その答えに安堵する幼子。
空高く・想いは深い。